岡崎のセカンドリビング
夫婦の趣味部屋(=セカンドリビング)のようなお店の計画。
夫婦が惚れ込み醸造所で直接買い付けてきたクラフトジンを一緒に楽しんだり、丁寧にドリップされたコーヒーと手作りの焼き菓子をゆっくり味わったり、気まぐれで流してくれるレコードに耳を傾けながら音楽談義に花を咲かせたり、雑然と並ぶ雑貨や本をしげしげと眺めてみたり。
お店近くの夫婦の自宅にある8畳ほどのコンパクトなリビングが設計打合せの場所だったのだが、リビングで過ごす時間の心地良さをそのままお店に持ち込めないかと考えた。
約10坪の正方形平面の部屋に約1坪の小屋(=厨房ボックス)を中央に配置することで、その周囲に客席・WSスペース・物販スペース・レコード置き場など、様々な使われ方に対応できる余白を設けた。カウンター高さに揃えた可動家具によりバリエーションを増幅させることで、発展的な余白の使われ方になればと考えた。また、小屋に少し角度(=約23.4度の傾き)をつけて単純な入れ子の構成を避けることで小屋の中心性をやわらげ、夫婦とお客さんとの距離感をお互いに選択できるようにした。
徒歩圏内に複数の部屋を持ち、自分の家の中を移動するかのような夫婦の姿を街中で見かけるたびに、その軽やかさに圧倒されている。
岡崎のセカンドリビング
- 設計
studio36
- 施工
studio36(分離発注)
- 家具制作
家具工房あすり
- 写真
Asuto Noda