竜泉寺の門(SDレビュー2025)








愛知県岡崎市の街と里山の中間に位置する竜泉寺町の「9間3戸の門」の計画である。
「小屋」から「門」へ
先行してフォレストガーデンづくりに取り組まれているところに、北側の住宅地と南に広がる貴重な「供給の森」をつなぎ、人々がガーデンに関わるきっかけとなる建築が求められた。この計画では、建築が主役となって人を集めるのではなく、あくまでもガーデンが主役となり、人々が建築を通り抜けてガーデンに滞留するようなあり方が目指された。そのため、滞留よりも通過を重視した「門」となっている。
仕切る「門」から、つなげる「ゲート」へ
当初、隣接する住宅地とガーデンの関係を、一旦建築で「切る」ことで逆説的につなぐ「門」が考えられたが、「門」は境界を強く意識させてしまう懸念があった。そこで、高速道路の料金所のように、区切りながらも通過を促し、地続きにつなぐ「ゲート」という形式とした。最終的に、構えとしては「門」の品格を、機能としては「ゲート」の連続性を持つハイブリッドな建築が目指された。
「自然的人工物」で生物多様性を実現するこの建築があることで生物多様性を育む「自然的人工物」として構想されている。北側の「人工物」である住宅地と、人の手による「人工的自然物」であるガーデンの間に立ち、両者を媒介しながらガーデンと「供給の森」を一体的に連続させる。これは、自然と人、そして地域をつなぐための、新しいかたちの「門」である。
竜泉寺の門
- 設計
studio36
- photo
studio36
- 展示物作成協力
村瀬 亮
村瀬 佳子
村瀬 航平(Unwind)
西山 ののか(Unwind)
村瀬 菜々子
村瀬 桃子
大村 淳(Permaculture Design Lab.)
川村 若菜(Permaculture Design Lab.)
藤生 光樹(近畿大学)
森 晃輝(近畿大学)
横関 竜弥(近畿大学)
近藤 達也(近畿大学)
高尾 航汰(近畿大学)
和田 周晟(近畿大学)
樋上 颯人(近畿大学)
山中 萌衣(名古屋造形大学)
柳澤 木乃音(名古屋造形大学)
伊藤 愛華(名古屋造形大学)
向井 駿(名古屋造形大学)
藤井 咲希(名古屋造形大学)
木野村 綾音(愛知淑徳大学)
高橋 くるみ(愛知工業大学)
小林 宥太(愛知工業大学)
霞 果歩(愛知工業大学)
松浦 千莉(豊田工業高等専門学校)
南谷 篤(名古屋工業大学)
内藤 乃麻(名古屋工業大学)
山田 歩実(名城大学)
加藤 隆人(And Forest)
加藤 亮(株式会社もりまち)
中根 伸宏(マルタ園)
中根 利枝(マルタ園)
秋吉 直樹(スノーピークビジネスソリューションズ)
小串 重治(グリーンフロント研究所(株))
岩ヶ谷 充(ONE RIVER)
柴田 佑紀(株式会社キテン)
飯田 圭(株式会社キテン)
天野 裕(岡崎まち育てセンター・りた)
井上 聖菜(らららキッズ)
小竹 ひとみ(スノーピークビジネスソリューションズ)
岩瀬 百慧