works

岡崎の事務所(studio36)

studio36と南康生家守舎の事務所。

床と壁は岡崎で製造されているフェルトで仕上げ、工業製品に対しても地産地消の視点を持ち、地域の素材と建材をつなぐための実験場としての機能も兼ねている。

自分たちで解体した際、土壁や接着剤で固定された薄ベニアなど湿式の仕上げの解体にとにかく大変な思いをしたので、最初から”解体前提”の内装にしようと考え、全て乾式にしつつ解体した部材を分別可能な状態で止めた。

具体的には、壁面は既存の木下地に横方向の木下地を開口高さを基準に四分割するように追加し、断熱と吸音を期待してフェルト(t=40mm)を木下地の間にそのまま押し込んで固定する仕上げとした。

床は合板で水平面を確保した上で、900mm角の大判のフェルト(t=3mm)の表面をクリア塗装で強固にしつつ、両面テープで固定した。汚れたり摩耗してきたらそこだけカッターでカットして、パッチワークのようにメンテナンスできる納まりとなっている。

壁と床に用いたフェルトは、岡崎の中山間地域で製造されているものを用いている。製造されるフェルトの大部分は車の遮音材やシート下地など”見えない部分”に用いられることが主なのだが、フェルトのランダムな模様に魅せられ、そのまま仕上げ材として用いたいと考えた。

木や石など自然素材の地産地消に加えて、フェルトなど工業製品に対しても地産地消の視点を持って、今後のプロジェクトでも積極的に用いたいと考えている。

岡崎の事務所(studio36)

設計

studio36

施工

小原木材(一部施主DIY)

フェルト

青山株式会社

テキスタイル

ペウラ生地店

写真

Asuto Noda