NEKKO OKAZAKI
遊休化していた大きなビルの1階を酒屋とパン屋、工房からなる複合施設にリノベーションした計画。
計画建物は緑道沿いに位置しているが緑道側の開口部なしの立面がその巨大さを強調しており、建物と店舗のスケール差が街から店舗を遠ざけてしまうように感じた。そこで、緑道の特徴である河岸段丘を活かした抑揚のある空間をそのまま店舗内に引き込み、店舗を”緑道に点在する商店群”に見立てることでスケール差を乗り越え、街と連続した店舗にすることで、誰もが思い思いの過ごし方ができる場所を目指した。
店舗を緑道の一部とするために、緑道のデザインに引用されている旧東海道の軸を店舗内に引き込み、構造フレーム(既存グリッド)との隙間に店舗・客席・イベントスペースを配置することで、一人でいても心地よく、複数人でも集まれる冗長性のある平面計画とした。
また、内装の仕上材には、中山間地域で採ることが可能な市産材(額田のスギ板やヒノキ角材、片麻岩など)を用いることで、地域資源を知ってもらうことに加えて、中山間地域の文化や景観を形成してきた素材の再評価、技術の伝承の一助になればと考えた。
NEKKO OKAZAKI
- ディレクション
藤井 伸昌
- 設計
studio36
- 施工
五城建設株式会社
- 電気・空調換気設備
株式会社戸松電気工業所
- 給排水設備
石田設備株式会社
- 植栽計画・施工
株式会社フィーカ
- グラフィックデザイン
design office Switch
- サイン施工
Adesign sign+graphic
- 写真
Asuto Noda